
こんにちは!コンビニの新商品をチェックするのが日課の私です。ふと、ローソンに立ち寄ったとき、「マチのほっとステーション」というキャッチコピーが目に入りました。
「あれ?昔は『マチの健康ステーション』じゃなかったかな?」
そんな記憶がよみがえり、いつの間に変わったんだろう?と気になりまして。この、お馴染みの「ほっと」という言葉に込められた本当の意味や、コピーが変わった歴史について、私なりにじっくり調べてみたくなったんです。
調べてみると、そこには単なるイメージ変更ではなく、ローソンがターゲットとする層(例えば女性)への想いや、「健康」を強く打ち出していた時代からの戦略的な変遷が隠されているようでした。
この記事では、そんなローソンのキャッチコピーの裏側にある歴史と意味について、私が調べた内容を詳しくまとめてみたいと思います。なぜ「健康」から「ほっと」へ戻ったのか、その理由を知ると、いつものローソンが少し違って見えるかもしれませんよ。
ポイント
- ローソンの現在のキャッチコピーと過去のコピー
- 「マチのほっとステーション」に込められた意味
- キャッチコピーが変わった理由と歴史
- 他の大手コンビニとの戦略の違い
ローソンのキャッチコピーの歴史と変遷
まずは、ローソンのキャッチコピーが時代と共にどのように変わってきたのか、その歴史を具体的に追ってみたいと思います。今のコピーと昔のコピーを並べてみると、その時代にローソンが何を大切にしていたのか、戦略の違いが見えてくるのが面白いんですよね。
現在のコピー「マチのほっとステーション」
現在、ローソンが掲げているキャッチコピーは「マチのほっとステーション」ですね。
このフレーズ、CMやお店の看板、店内放送などで毎日のように耳にするので、すっかりお馴染みになっている方も多いんじゃないかなと思います。
言葉の通り、「マチ(街)」の「ほっとできる場所(ステーション=拠点・停留所)」でありたい、というローソンの想いがストレートに伝わってくる気がします。忙しい日常の中で、ふとローソンに立ち寄った時に感じる「安心感」や「温かさ」、そして「利便性」を、この「ほっと」という一言で表現しているのかなと、私は感じています。
実はこのコピー、後で詳しく触れますが、2019年に「原点回帰」として再び採用されたもので、ローソンにとっても非常に大切な言葉なんですね。
「マチのほっとステーション」が持つ意味
では、この「ほっと」という非常に情緒的な言葉には、具体的にどんな意味が込められているんでしょうか。
単に「心が温まる」というだけではないようです。私が調べたところ、ローソンの企業理念や公式な情報では、「ほっと」に関連するキーワードとして、大きく分けて以下の3つが挙げられていました。
ローソンが目指す「3つのほっと」
- ほっと発見(ワクワクする品揃え、新しさ)
- ほっとうれしい(健康やおいしさへの配慮)
- ほっとやさしい(環境や社会、人への貢献)
このように、単なる感情的な「安心」だけでなく、ローソンが提供する具体的な価値にしっかりと結びついているのがわかります。
ほっと発見(ワクワク)
これは、コンビニに行く楽しみの一つである「新しい商品との出会い」のことですね。ローソンでいえば、クオリティの高い「Uchi Café(ウチカフェ)」の新作スイーツや、「からあげクン」のユニークな限定フレーバーなどが当てはまるかなと思います。日常の中に「小さな楽しみ」や「ワクワク感」を発見できる場所、という意味が込められているんですね。
ほっとうれしい(健康・おいしさ)
これは、まさに後述する「健康ステーション」時代の強みを引き継いだ部分だと思います。糖質を抑えた「ロカボ」商品(ブランパンなど)や、栄養バランスを考えたお弁当、新鮮なサラダなど、「おいしさ」と「健康への配慮」が両立している商品が手に入ること。それが利用者にとって「うれしい」価値になる、ということです。
ほっとやさしい(環境・社会)
これは、企業としての社会的責任(CSR)に関わる部分ですね。例えば、プラスチック使用量を減らしたマチカフェのカップや、環境に配慮した素材のプライベートブランド(PB)商品、食品ロスを減らすための「てまえどり」の推奨など。「地球(マチ)への優しさ」や「人への優しさ」を実践することで、マチ全体にとって「ほっと」できる存在でありたい、という意志表示かなと感じます。
2019年にコピーが変わった理由
さて、ここが一番気になるところかもしれません。実はこの「マチのほっとステーション」というキャッチコピー、一度別のコピーに変更され、2019年4月に「戻ってきた」ものなんです。
なぜ戻ってきたのか?
それは、2013年から使われていた「マチの健康ステーション」というコピーが、非常に強いメッセージ性を持つ一方で、特定のイメージを連想させすぎる側面があったからのようです。
「健康」はもちろん非常に大切な価値です。しかし、「健康ステーション」という言葉からは、人によっては「調剤薬局」や「高齢者向けの施設」といった、少し専門的で固いイメージを連想させてしまう可能性があったんですね。
コンビニに求められる「いつでも、誰でも、気軽に立ち寄れる場所」という本来のイメージと、専門性を強めた「健康」というイメージとの間に、少しズレが生じてしまったのかもしれません。
そこでローソンは、若者やファミリー層も含めた、より幅広いすべての人々にとっての「拠り所」であることを改めて示すため、創業以来大切にしてきた「安心感」や「温かさ」といった原点の価値に立ち返ることを選びました。
それが、多くの人に親しまれていた「マチのほっとステーション」へのコピーの回帰、という判断につながったのかなと推測します。
昔のコピー「マチの健康ステーション」
では、その前に使われていたコピーは何かというと、「マチの健康ステーション」です。このコピーが使われ始めたのは2013年10月のことでした。
この頃は、社会全体で健康志向が急速に高まっていた時期と重なります。コンビニ業界も、単なる「便利さ」だけでなく、新たな価値を提供することが求められ、他社との差別化がより一層激しくなっていました。
セブンイレブンが「近くて便利」という圧倒的な「利便性」を、ファミリーマートが「あなたと、コンビニ、」という「親近感」を打ち出す中、ローソンが戦略の新たな軸として据えたのが、「健康」というキーワードだったわけですね。
「健康ステーション」時代の背景
「マチの健康ステーション」を掲げていた時代(2013年~2019年)、ローソンは文字通り「健康」を軸にした事業展開を強力に推進していました。これは単なるスローガンではなく、具体的な商品やサービスに落とし込まれていたのが特徴です。
「健康ステーション」時代の主な取り組み
- ブランパン(低糖質パン)シリーズの強化: 今でこそ当たり前になった「低糖質パン」の市場を、コンビニで本格的に切り開いたのはローソンでした。これは画期的な取り組みだったと思います。
- 「ナチュラルローソン」の展開: 「美と健康」をテーマに、オーガニック商品や健康志向のデリ、雑貨などを揃えた「ナチュラルローソン」のノウハウを、通常のローソン店舗にも活かそうとしていました。
- 医薬品・調剤薬局併設店舗の拡大: 文字通り「ステーション」として、ドラッグストア機能や調剤薬局を併設した店舗を増やし、地域住民の健康をサポートするインフラを目指していました。
- 高齢者や女性をメインターゲットにした商品開発: 健康を気遣うシニア層や、美意識の高い女性層に向けた商品開発が活発に行われていました。
このように、社会のニーズをいち早く捉え、「健康といえばローソン」という強力なブランドイメージを確立しようとしていたのが、この時代の大きな特徴だったと言えますね。
ただ、先ほども触れたように、「健康」への特化が、逆にコンビニとしての「気軽さ」や「楽しさ」といった側面を少し薄めてしまった懸念から、2019年に「ほっと」へと回帰することになったわけです。
2つのコピーを一覧で比較
ここで、2つのキャッチコピーが持っていた役割と戦略の違いを、表で簡単に比較して整理してみます。
| キャッチコピー | 使用期間(目安) | 主なターゲット | 伝えたかった価値(戦略) |
|---|---|---|---|
| マチの健康ステーション | 2013年10月~2019年3月 | 高齢者・女性・健康志向層 | 機能的価値(差別化)
(健康・専門性・安心・シニア対応) |
| マチのほっとステーション | ~2013年9月 / 2019年4月~ | マチのすべての人(全方位) | 情緒的価値(包括)
(安心感・温かさ・優しさ・ワクワク感) |
※使用期間は私が調べた範囲での目安です。正確な情報や詳細な変遷については、ローソンの公式発表などでご確認ください。
こうして見ると、ローソンが一貫して「マチ(街)」のニーズに応えようとしてきた姿勢は変わっていませんね。その上で、「健康」という具体的な機能で差別化を図った時代から、より広い「ほっと」という情緒的な価値ですべての人を包み込む時代へと、アプローチ方法を最適化してきた歴史が、キャッチコピーからも伝わってきます。
ローソンのキャッチコピーが目指すもの
「マチの健康ステーション」から「マチのほっとステーション」への回帰。これは、私には単に昔のコピーに戻したという「後退」ではなく、「健康ステーション」時代に培った「健康」という価値もしっかりと包み込みながら、より広い意味での「安心感」や「優しさ」を提供するという、ローソンの「進化」の決意表明のように感じられます。
「ほっと」に込めた3つのキーワード
先ほど「3つのほっと」(発見・うれしい・やさしい)について触れましたが、これは現在のローソンが掲げる新しいグループスローガン「3つの約束」とも深く連動しているんです。
ローソンは「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」というグループ理念のもと、2019年頃から「3つの約束」を掲げています。
この3つ、先ほどの「3つのほっと」と見事にリンクしていると思いませんか?
- 「圧倒的な美味しさ」 → 「ほっと発見」
- 「人への優しさ」(健康配慮など) → 「ほっとうれしい」
- 「地球(マチ)への優しさ」 → 「ほっとやさしい」
つまり、「マチの健康ステーション」時代に培った「健康(人への優しさ=ほっとうれしい)」という強みは維持しつつ、さらに「美味しさ(ほっと発見)」や「環境配慮(ほっとやさしい)」といった価値を加え、それらすべてを「ほっと」という、温かみのある言葉で包み込んでいる。そんな戦略的な構造が見えてくる気がします。
スイーツ強化とコピーの関係性
最近のローソンといえば、「スイーツのクオリティがすごい!」と感じている方も多いのではないでしょうか。特に「Uchi Café(ウチカフェ)」シリーズは、もはやコンビニスイーツの枠を超えて、専門店にも負けないクオリティで、新商品が出るたびにSNSなどでも話題になっている気がします。
このスイーツ強化も、「マチのほっとステーション」というキャッチコピーと深く関係しているように思います。
疲れた仕事の帰り道、家事や育児の合間、頑張った自分へのご褒美...。美味しいスイーツを食べる瞬間って、まさに「ほっと」一息つく、至福の時間じゃないでしょうか。ローソンに寄ってワクワクしながらスイーツを選ぶ。それは「ほっと発見」であり、自分へのご褒美としての「ほっとうれしい」体験でもあるかなと。
もし「マチの健康ステーション」というコピーのままだったら、ここまで大胆に「スイーツ(=ご褒美、甘いもの)」を強化するのは、少し難しかったかもしれません。「健康」と「スイーツ」は、一見すると対極にあるようにも感じられますから。
「ほっと」という、心の癒しや安らぎまで含む、より懐の深い言葉だからこそ、スイーツの持つ「癒し」や「ワクワク感」という価値と、見事に相性が良いんですね。
ターゲットを「女性」へシフト
「マチの健康ステーション」時代も「女性」は重要なターゲットの一つでしたが、「健康=シニア」というイメージも同時に強かったかもしれません。</p
しかし、「マチのほっとステーション」に戻してからは、より明確に、そして広範な層の「女性」に焦点を当てているように感じます。
先ほどのスイーツ強化もそうですし、プライベートブランド(PB)のパッケージデザイン(「L basic」や「L marche」など)が、シンプルで洗練された、いわゆる「丁寧な暮らし」を想起させるような、可愛らしいものにリニューアルされているのも、明らかに女性の感性に響くように意識されているのかなと。
また、都心部を中心に展開する「ナチュラルローソン」が、もともと「美と健康」をテーマに多くの働く女性に支持されてきた実績もあります。
「ほっと」という言葉の持つ「優しさ」「柔らかさ」「温かさ」は、働く女性や子育て中の女性が、忙しい日常の中でコンビニに求める「ちょっとした癒し」や「心の拠り所」といったニーズと、とても相性が良いのだと思います。
セブン・ファミマとの戦略の違い
ここで、他の大手コンビニのキャッチコピーとも比較して、ローソンの立ち位置を改めて確認してみたいと思います。
- セブンイレブン:「近くて便利」→これはもう、王道中の王道ですね。業界トップの店舗数(物理的な近さ)と、セブンプレミアムに代表されるPB商品の品質(期待を裏切らない便利さ)という、「利便性」という絶対的な価値をシンプルに、力強く表現しています。
- ファミリーマート:「あなたと、コンビニ、」→「あなた(お客さま)」に寄り添う、「家族のような」親近感を大切にする姿勢を感じます。単なる接客だけでなく、「ファミペイ」といったサービス連携や、「ファミマル(旧:お母さん食堂)」のような「家族」を意識した商品展開にもその思想が表れているかなと思います。
これに対して、ローソンは「マチのほっとステーション」。
セブンが「利便性(モノ・機能)」、ファミマが「親近感(コト・関係性)」を軸にしているとすれば、ローソンは「安心感(情緒・雰囲気)」で差別化を図っているのかな、と私は解釈しています。
ただ便利なだけでなく、ただ親切なだけでなく、「ローソンに行けば、なんだかほっとする」。そんな「心のステーション(拠り所)」を目指しているのが、ローソンのユニークな戦略なのかもしれませんね。
総括:ローソンのキャッチコピーの役割
今回は、ローソンのキャッチコピーについて、その歴史や意味の変遷を私なりに詳しく考察してみました。
「マチの健康ステーション」から「マチのほっとステーション」へ。この変化は、ローソンが「健康」という時代に先駆けて築いた強みを捨てたのではなく、むしろそれを大切な価値(ほっとうれしい)として内包しながら、より多くの人々に「安心感」や「ワクワク感」を提供できる場所へと進化しようとしている証拠なのかなと感じました。
キャッチコピーは、その企業の「軸」であり、未来への「約束」を示すもの。
ローソンのキャッチコピーは、「マチ(街)で暮らす人々にとって、心安らぐ場所であり続ける」という、ローソンが担う大切な社会的役割を、私たちに優しく伝えてくれているんだなと思います。
次にローソンに立ち寄るときは、「今日はどんな『ほっと』が見つかるかな?」と、お店の商品やサービスを眺めてみるのも楽しいかもしれませんね。